仮名垣魯文はその売文業の一環として、無数の片々たる紙片を遺した。此等は文学的営為の所産とは見做されず、従来の文学史では取り上げられることはなかった。しかし、魯文の報条(引札)には彼の感性が横溢する凝った戯文が駆使されており、魯文の足跡を明らかにするために不可欠な資料である。
今回は前回に引き続き、国立国会図書館蔵の貼込帖に遺されたもの、アドミュージアム東京で蒐集されてきた資料、展示資料集に掲載されたものなどを取り上げた。
また、これまでに未翻刻のまとまった資料として、既に柏崎順子氏が「一橋大学附属図書館所蔵『奎星帖』紹介」(「書物・出版と社会変容」第4号、2008)で紹介された『奎星帖』がある。氏に拠れば、『奎星帖』の作成者は「奎星館」を設立した山寺清二郎であり、この45冊の貼込帳には、魯文や守田宝丹、岸田吟香等に拠る多数の引札などが遺されているのみならず、魯文の引札草稿2点も在ることを見出され、この2点は画像も掲出されている。なお、魯文の執筆したもの以外でも、魯文の交友関係を知るに有用な資料(「花笠文京伝」、「磐梯山噴火記念碑建碑建設慈善會」など)があり、翻刻紹介されている。しかし、魯文の引札については本文が載せられていないので、此処で取り上げておきたいと思う。
【五五】(製版、色摺 19.1×26.2cm)
御待合\開業御披露
大星が都遊びに。手の鳴方へ銚子を運びし。祇園町の揚屋にあらず。東の京の水清き。築地川に架橋す。お客とお酌の合引橋。渡つて間近き木挽町。都合ハ万よしといふ。風雅の土地に繕ひ普請。故きを温ねて新しき。掛行燈の一力亭。釣燈籠のあかりを照らす。黄昏よりの御運動かた/\。飲をれさすは。指をれ飲ハのお合酌にて。水面の窓の月雪の景色もとり添て。眺にあかぬ御遊覧に。をり/\御来臨を願ひ升と。讀む長ぶみを短かく端折〓の下より力を添ゆる。九太夫めきし老生ハ誰そ
【五六】(製版、色摺 18.7×26cm) 明治21年
塑生舘開館式 書畫展覽會 來三月廾四廾五兩日間不論\時ニ而相催候間御恵臨是祈
補助 松本芳延\柳澤菊圃\清水巴江\冨樫文治
幹事 飯島光峨\假名垣魯文\夜雪菴金羅\服部波山
あらかねの土もて人の姿物の形ちを造ること遠つ神つ代に始りて土師の姓是に起れり此技術ひとり我おほみ國のみならすとつ国にも羅馬舊都の遺物印度の土偶其奇なる物競ふて欧洲各國の博物舘に陳列し古製美術の誉れを傳ふ茲に村越滄洲夙にこの技に鍛錬の功を奏し故きを温ねて今様の形ちを摸し殊に肖像の製に精しく人に對して物いふか如きハ世の好事雅 客の感し知る所此技の妙をひとつらに集め今度浅艸公園内に一の縦覽場を建設け塑生館と號けて竟に落成の功を奏せりその喜ひを常に愛玩の諸君に報せむとてことし三月の末の新館に莚を開き席上に山岳の秋を作り硯池に龍鯉を跳らしめむとす諸君車を飛はして幸ひに來臨あれ
【五七】(製版、色摺、20.6×28.1cm)
賣花師の
御披露
花を手折て瓶に挿すこと古き物語ぶみにも數多見へ後撰集貫之の歌に久しかれ仇になすなとさくら花瓶にさゝせてうつろひにけりそも立花ハ元佛前に供ふに始り東山殿の頃までハ其法式もなかりしが洛陽六角堂の池の坊専順其伎をよくしその法を傳へ立花の名稱これに起りその後流派さま%\に分れ果は投入の無造作なるも茶家の一流とハなれり凡立花ハ賓客待遇の第一にして内外の親睦を媒介て交際上闕べからぬ伎なりとて友人西坐梅叟子年ごろ此道を分け遠く池の坊の水源をたづね我園中に百樹千草を培養し四時花を絶さで自他の目を歓ばし且ハ世渡りのたつきにもせばやと手車に數の花籠さし添諸家にたよりて凋みし元のはなと挿替まいらするを業とぞらせらる大方の諸家さかり久しき花主とならせたまひねかし
【五八】(製版、色摺 36.4×25.9cm)
明和安永の世に逸遊し百有餘年の未来を知り初めて文明の學を講じ究理の新説を主張する者ハ誰そ平賀源内鳩溪先生なり時期早ふして風来れども其業擧らず紙鳶の糸切れて飄然虚空に〓り去れり然るに外面の皮破るれど心術の骨世に残れるを拾ひ之に紙を貼り糸を繋ぎ風来の名を再び蒼天に〓げたるハ河原英吉氏其人なり昔時故山人ハ志道軒の靈を祭りて痿陰隱逸傳の戯文を供ふ現今の風来子ハ此洒落に傚ひ示さんと欲するより日を卜し同志の来會を請はんとす此祭典や天狗髑髏會の尻に附く放屁男の等類にあらで飛んだ噂の後言に先生の陰莖痿たりと嘲ける者世に在らバ廓のをだ巻真の分知りにあらずとせむ否なら来らず吝まば喜捨することなからんも夫れ自由
念に念を入れゝば氣を利かして駑児と罵はれ信義も憖い編に盡せば却て花痣と譏らるゝが當その人情風流は因循の隱語雅致ハ姑息の符牒と成り何でも改良ヤレ改良労して功なき〓の下の力持ハチャリネの技藝に喝采を博られ楽屋で聲を枯さるゝ狂言も亦稀なりけれバ性来の鈍筆も下手ハ蔕なり御所柿の甘く世間を渡らんとは奇怪千萬不届至極の了簡に候へども真逆のしこし山位ハ讀める程の文盲にて此調法な代に才り馬鹿に貼ける膏薬の未だ特許されぬを遺憾とし今さら死ぬ間の待遠ながら首縊るほど耄碌ハ仕らず去りとて懶惰好の仕事嫌ひ前生で鮟鱇の報いとおう腮の乾るも實に然りと自から過去を悟り顔に四十下りの譯解男初代の蘭を英に含めど世を憤る気力も無く開明の時期に後れ銕道を踏むがたくり馬車ヒンと嘶く痩馬の脊に鞭あてゝ千里同行窮鬼と駈競に追附くと云ふ比喩もあれバ 永季廃れし紙鳶の糸目を繋ぎ今般故翁の霊魂を祭るとハ空殿を建立するの告條なり有志の諸彦御不参でもソレ何やらを忘れ給ふな
今さらに何と\先師か聲色や\薄学もなし小遣もなし
【五九】(製版、色摺 33.4×47cm)
山林野草に雨露霜雪の潤澤ありて自然に繁殖するも曽て肥料の設けなきよ〔リ〕蔓延屈曲の無造作なる庭園の眺望めとするに足らず殊に常平闕可からぬ物に於るや凡五穀に肥料の供へあるは人に教育の道あるが如く 等く天賦の賜物といふ可きなりされば善悪の難波に近き摂州尼が崎の岡部氏が家より出る肥料赤糠の巧驗ハ普く農家の試用て知る所ろ今更茲に喋々せず従来その商標の如き所謂天の賜物の義に基き天タマの名称もと廣く弘まり遠近の御引立に預りし這般此標の玉を天とし轉じて商標登録の認可を得たれば猶赤糠の赤心を表し自他を肥すの丹誠より品物一層の吟味を遂俵の数の限りなく巻立輸出なし侍れバ不相変の御引立を希望まをすになむ
【六〇】(製版 19.2×52.5cm)
清朝の李魚嘗て活虎行の作文に活る虎を見ること不容易と言中華人すら斯の如し〓んや我朝に於てをや然れ共太平の徳化普く海外に逮ひ萬國異境の産物珎竒を居ながらにして見るに至るハ有難き御代の御惠ならんかし今般蘭人横濱の地に舶来し猛虎称て大蟲といへるハ其親立秋に始て嘯き仲冬にはじめて交り胎内にあること七月にして生れ未だ一歳に満ず身財肉犢に等しく阿芸の形相実に傑膽を寒からしめ今昔未曽有の竒獣たり去年蘭人の舶来りしハ豹にして虎に非す彼と是とを比ぶるときハ雲泥の差別ありて其勢形も大に違へり四方の君子正真の活虎に近づき本體を見んと欲さば今比時を期し給はで御光臨あれかしと謹で白
文久元辛酉九月 太夫元に代りて
【六一】(製版、色摺 18.8×26cm)
詞の花は元禄の昔に咲初め言の葉の茂りハ明治の今に弥栄へて飛花落葉の世に散布き薫りを四方に傳ふるより俗中雅あり雅中俗ありされバ山樵の花の下臥高沽の美き衣着たる風俗自から雅にして俚語雅言の句兄弟盛るも散るもよし野の眺望 俗性に貞室の貞字を冠らし晋子が風雅の跡を追ふ造化庵機春ぬしこたび敷島のやまとごゝろと本居大人の歌に縁める日本ばしの邉に家居し旭に匂ふ桜々堂の家号を設けあら玉のとし待あへず霞引なる店棚に飾り据たる賣もの類は花の色目の色紙短冊雲井に渡る雁皮帋より梅が香包む巻紙るゐ風のまとひの扇子うちは凡て筆硯紙墨に睦み詩歌連俳に懸るもの開業雅興の印刷等まで種々色ずりの御注文ハ雅俗にわたる主個が擔當賣品るゐハ際物なりとて一時足元の利に走らず塵ひぢの山つもれるさかへハ老舗を占し後に有とし正路をふみの林にわけ入りもつぱら注意なす口實の信を証して開業の口序を記す
十九年\十二月開店
【六二】(製版、色摺 33.6×24cm)
中天竺舶來大象之圖
亞細亞洲中天竺馬爾加国出生生じてより僅に三歳形象ハ泰山のごとく鼻ハ桟に似たり總身黒色骨太く肉肥前足の爪ハ鼈甲に等しく後足の爪ハ碁石のごとし尾ハ劔に似て耳ハ袋をかけたるごとし干時文久三〈癸|亥〉弥生上旬西両国廣小路に於ゐて観物塲を開き諸人の目前に一見を新にすることゝハなりぬ
姫氏國の\毛綱につなく大象は\うこかぬ御代の\ためしとぞなる
【六三】 (製版、墨摺 33.5×48cm)
演義告條
神洲の武威四夷に轟き聖代の徳澤八蛮に溢れ海外萬里の波涛を凌ぎ招かさるに異邦の奇品膝下に入賞せるをもて未見の萬物日夜を選ばず時々刻々に舶来せりそる中に今般欧羅巴人アルキウルなる者印度部中爾馬が國スヒツトヘルゲンといへる大山のふもと数千里の大原野に一疋の大象を生とり我新港横はまに渡来なせりそも/\象ハ西南の夷地に生す漢土の大國なるもあることまれなり支那人往古ハ其象を画にて見るのみ故に象とハ号しなりされバ蛮名をヲリハンヲといひ種類一にして身色一ならず佛書に所謂白象ハ四牙六牙なるも有とかや夫象ハ□獣の一にして将に宇宙の聖獣たりその行状自若とし○泰山の如く夜ハ子に臥て寅に起て諸州の人語をきゝわけ水をゆくこと平地のことく火を消こと恰も草を刈に似たり力量千斤の鐵をおひ鼻に千曵の巌石を巻水原をうがち金蔓を推しとく気を退け清浄をこのめり象骨象牙の人に霊ある世に益あるハ普く人の知処にして實に泰平の祥獣といふへき 而巳
文久三〈癸|寅〉弥生上旬
象友舎画
【六四】(製版、色摺 35×49cm)
西兩國廣小路におゐて三月上旬より興行仕候
舶來大象之譜
虞舜の孝感天を動し大象來て田をかへし。提婆の暴戻神を怒し。白象をして悩しむ。夫象の霊あるや三獣の一と〓。獅子虎の猛獣と比すへきに非ず。西客心に望あれバ象を祈りて宿願をはたし。印度の蒼生象を輕蔑なすときハ。其祟を受といへり。今般歐羅巴人。天竺馬爾加國より。一疋の大象を得て我神洲に渡來せり。生てより僅に三歳未骨肉充満せざれども圖計に遊ばず。清食浄状林も及ばず。夜ハ子に臥て寅に起昼ハ三度居処を改む火にあふときハ水より烈しく水に逢てハ夏禹も不如きくならく。尭舜の聖代にハ麒麟原野に遊び鳳凰梧桐に宿せり とかや今四海の浪靜に治り。國風豊になびき万民和ぎて。戸々に千秋樂を唱へ家々に万歳樂をうたふ是偏に天禀地封の徳澤にして。将に霊獣の祥瑞あるも。寛仁大度の餘慶なるべし。中興蘭人嵜陽に持渡しも光陰の關門にへだてられ。たゞその象を画圖に観而巳。さいはひなる哉泰平の時に生れ。我人ともに此聖獣を。目前に見ることをえたるは。千載不朽の面目にて。萬古未發の奇事といふべし。ゆゑに諸君子競ふて駕を曲。列て來臨あれかしといふ
于時文久三癸亥季春上旬
【六五】(製版、色摺)
御披露
軍配團扇の風に靡き。御贔負連の御取廻しに。相撲茶屋とは烏滸がま式守。行司にあらで當時の活計。めうがに叶ふ大入に四本柱の普請も出来。おん客様の御顔觸。よろしき日取に宅開き。是から出世の階段上り。彼横綱の横濱御連を。摩利支天とも祈りまうせば。春冬場所の御發駕に限らず。四季折々の御遊山にも。御立寄を希ふ
相撲茶屋
【六六】(活版、飾枠、「奎星帖」第四冊)
〈明治廿三年|三月[廿九]日〉 建碑落成披露 故花笠文京翁傳
墨陀梅柳山木母寺境内建設
篆 額 少數正 堀越 秀
撰 文 如 電 大槻修二
淨 書 香 遠 益田 厚
石 工 宮 龜年
健碑協同總代
胡 蝶 若菜貞爾
柳 香 廣岡豊太郎
嗣 號 渡邊文京
建 主 假名垣魯文
【六七】(活版、二分アキ、飾枠、「奎星帖」第四冊)
御貸席御披露
今ハむかし。紫の色。少しく涸しと見ゆれ共。その香ハ全く失やらず。一度築地川の邊りに濁りを澄まさんと欲し。成らずして西京の機殿近く。錦織なす職女に交り。程經て故郷へ歸り花。ふる巣に近き初音の里。身の陰れ家の音なし川。流れに添し御行の松の。下蔭にやどりを求め。祇王が嵯峨野に髣髴たる。根岸の笹の雪見豆腐。上野の花の春待合。席貸業を開き侍りぬ。澄むも濁るも江湖のいとなみ。新聞紙の筆のまに/\。人口のさがなきも。世に唱はるゝハその身の名聞。もとめて正語を煩らはさず。強て辧駁の舌を勞せず。折節の御運動に。かならず。お立よりをまつの下蔭。女あるじが深雪豆腐の。深くも解てねぎたてまつる。否ねがひ上被参候 かしく
十二月中旬より開業
【六八】(製版、本文墨摺、「奎星帖」第五冊)
待合開業
此頃の流行とて此處にも待合彼処にも待合茶屋と皆さま嘸おうるさうござひませふ是とても身の活計當家の親父ハむかしから岩固で通した侠客肌いろは組の纏印も替る浮世の開けた運動老の年波蝦の腰曲り成にも繕ひ普請おなじみ方を待合渡世むすめを杖や柱と頼み火鉢に湯気のお釜起し春まちあへぬ年の内に開店の御披露消防組の鳶飛んで家根まで登る開運の梯子乗も下り阪甲斐なき老も龍吐水の勢ひよき景気を添え御取立の程願ひあげたてまつると主估が注文の儘を記す
十二月七日
【六九】(製版、色摺、「奎星帖」第八冊)
○山水花月茗食倶全
○即席御料理 梅隣亭
轉居開舗告條
都としなるべき今の世を知りて名にや負けん川面の鳥と詠まれしハ由縁の人の口業にして實東京の名にしをはゞこと問ふ軒も建並びて有や旡やの昔に変り日々新なる精味の繁昌徳ハ孤ならず去年よりも梅の隣へ魁の開香進みて芬明の調理各家の中に入り花主の〓を蒙るより山から里の譬に洩れず少しく都に近きこそ魚涯往復の便宜ならんと或高貴御方の勧め給ふを礎として誘ふ風にハ馴くてふ柳畑に地を販ひ自今茲にすみだ川冨士と筑波の眺ハあれど高價を省く即席調理手輕に勉強仕出しの出前維新製の風味を試み相変らずの御來駕を主人に代りて希ふ
来ル三月明日\開店仕候
【七〇】(製版、色摺、「奎星帖」第八冊)
新鮮即席御料理
花柳市廛の繁盛を。表と裏に占る者獨新橋南北の。近傍にありとせむ。三十間堀の流水ハ絶ずして。然も旧の汐留に非ず。舗ハ停車塲と相對し。上下の〓車の往さ来るさ。肩摩〓撃の當地に在て。年来老舗し。魚菜の調理ハ鈍き庖丁の切味ながら夙に鮮けき種子のみ撰み精々勉勵の力を盡せし。その甲斐ありて俎板の。打囃したる御採用に稍く營繕も落成ならハ。全く愛顧のおん引立にて御恩を仰く三層樓屋。從来仕出しを旨とせし仕出の文字を吉例に何方までも持運びの手数ハ更に厭ひ申さず猶爾来ハ坐席を分ち。朝市夕河岸の活〓なる。或ひハ酒興の酣〓に金春の花。烏森の月の眺めも。自由の権のお心委せ毫立入しことながら會計筋ハ相成たけお手輕に相働き貴脚も輕く蒸氣車の引續たる御来車をと中銕の開店にてつだうて冀望になん
當五月廾三日開店
【七一】(自筆原稿、「奎星帖」第八冊)
口章
車レ馬に駕て。西洋料理を嗜み。筒袍を着て牛豕を味ふハ新竒を竸ふ時勢粧。往古気質の廢らぬ物ハ浅黄帷子黒小袖と。思ひつき夜に米の飯。蒲焼の香の四里四方その筋々へ賣弘し餘光を假て開店の日あらぬ繁昌御禮がてら魚ハ一倍鮮く骨抜鰌の精々骨折厚きめぐみをあつ焼の鶏卵に報ふ價の格好火
蒲焼・とぜう・玉子焼
来ル五月十日\賣出し
二日の間麁\奉差上候
【七二】(活版、二分アキ、「奎星帖」第八冊)
(綾)〈醤油|味淋〉桝酒樽賣所
開業
角觝力者
〈美|酒〉花嫁
〈銘|酒〉(越)一手捌
〈銘|酒〉※一手捌
當二月二十日\開店粗景呈上
【七三】(自筆原稿、「奎星帖」第八冊)
會席御料理報條
東京
来ル卯月何日
【七四】 (製版、墨摺、「奎星帖」第八冊)
空也
後朝
来ル\五月一日\開業
【七五】(活版、飾枠、字間二分アキ、「奎星帖」第八冊)
有合
須
來る廿日開業當日お麁末な景物を差上\升から猶御ひいきを願ひ升
【七六】 (活版、飾枠、本文字間二分アキ、「奎星帖」第八冊)
米澤町琴富貴樓上掛額 七点以上出版掲額
藝妓心意氣百々逸合 五句一組 入花金十錢
猫々道人戯撰 〈天地人三才え浴衣地壹反ツヽ|番外十客え美景呈〉
○
〈文京|一輪|膝小僧〉 附評 〈各三才 番外十客え|隠し景不思議の珍物呈〉
右ハ前ニ五月中の日曜開卷ト新聞上にて廣告致置候處未タ陸續御投詠中ニ付本月丗日限堅く〆切來ル六月中の日曜相〓なく同樓におゐて開卷當日余興に秀逸の部を藝妓の弦に奏させ候間御來車ヲ乞同下旬掲額之分美々敷活版摺物ニ致し御返草及候四方の雅君如山御投詠是祈ル
〈魯文の猫の図〉 玉\句\届\所
廣小路 京文社\新柳町 生稻亭\初音馬場 失場一輪\米澤三 琴富貴亭\横濱港 守屋正造
【七七】 (活版、飾枠、二分アキ、「奎星帖」第八冊)
温泉
松下
月 日
【七八】 (活版、飾罫、全角アキ、「奎星帖」第八冊)
口 演
兼々新聞紙へ掲載仕置候猫塚供養并に珍猫百覧會來ル廿一日於両國中村樓開莚各種出品陳列仕候間不論普雨御知己の方々御誘引御縦覧被下度右ハ參を以可申上之處何分繁机ニ付乍失敬代理ヲ以御案内申上候也
七 月
【七九】 (活版、飾罫、二分アキ、「奎星帖」第八冊)
講談
昔
當ル九月 日開席
但シ晝席 講談諸先生 夜席 落語諸藝色物連中
【八〇】 (活版、飾罫、二分アキ、「奎星帖」第八冊)
西洋御料理開業報條
煉化
並 西洋食 | 御壹人前 | 金三十錢 |
中等 同 | 同 | 金四十錢 |
上等 同 | 同 | 金五十錢 |
其他西洋酒品々
八月一日開業
掲載資料一覧(凡例及び【一】〜【五四】は前号までに掲載)
【五五】待合「一力亭」 | 国会「明治時代広告研究資料」(寄別3-5-112) | 26左 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【五六】書畫展「塑生館開館式」 | 国会「明治時代広告研究資料」(寄別3-5-112) | 53右 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【五七】賣花師「西座梅叟」 | 国会「明治時代広告研究資料」(寄別3-5-112) | 57 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【五八】三世紙鳶堂風来襲名披露 | アドミュージアム東京(1989-995)・「奎星帖」第四冊 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【五九】酒造糖「岡部宗助」 | アドミュージアム東京(1992-257) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【六〇】虎 | アドミュージアム東京(1987-3555)
| 【六一】桜々堂「伊藤貞次郎店」 | アドミュージアム東京(1997-1063)・「奎星帖」第七冊 |
| 【六二】中天竺舶来大象之圖 | アドミュージアム東京(1990-55) |
| 【六三】演義告條 | 「ニュースの誕生」図77(東大総合研究博物館、1999) |
| 【六四】舶来大象之譜 | 「幕末・明治のメディア展」図134(早稲田大学図書館、1987) |
| 【六五】相撲茶屋「伊豆源」 | 個人蔵 |
| 【六六】建碑落成披露「故花笠文京翁」 | 「奎星帖」第四冊 |
| 【六七】御貸席御披露「高橋かほる」 | 「奎星帖」第四冊 |
| 【六八】待合 | 「奎星帖」第五冊 |
| 【六九】即席御料理「梅隣亭」 | 「奎星帖」第五冊 |
| 【七〇】新鮮即席御料理「中銕」 | 「奎星帖」第八冊 |
| 【七一】料理「丹波屋儀助」 | 「奎星帖」第八冊 |
| 【七二】酒屋「綾瀬川酒店 川村藤治郎」 | 「奎星帖」第八冊 |
| 【七三】会席料理「千歳楼」 | 「奎星帖」第八冊 |
| 【七四】料理「遊狸庵 松本きく」 | 「奎星帖」第八冊 |
| 【七五】料理「松のすし 松浦きん」 | 「奎星帖」第八冊 |
| 【七六】都々逸合「米澤町琴富貴樓上掛額」 | 「奎星帖」第八冊 |
| 【七七】温泉御披露「清新楼温泉所」 | 「奎星帖」第八冊 |
| 【七八】口演「珍猫百覧会」 | 「奎星帖」第八冊 |
| 【七九】講談落語新席開場御披露「新席亭」 | 「奎星帖」第八冊 |
| 【八〇】西洋御料理開業報條 | 「奎星帖」第八冊 |
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付記 翻刻を許可頂いたアドミュージアム東京、一橋大学附属図書館に感謝申し上げます。また、本研究はJSPS科研費JP17K02460の助成を受けたものです。
#「魯文の報条(四)」
#「大妻国文」第51号 (2020年3月31日)所収
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# 大妻女子大学文学部 高木 元 tgen@fumikura.net
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